(1)意欲・努力 | (2) 碁の考え方 | (3) 古の教示 | (4) 定 石 | (5) 詰碁、死活、攻合い |
(6) ヨセ、手筋 | (7) アマ代表 | (8) ヨミと早打ちと決断力 | (9) | (10) 注意力 |
(11) 学習過程 | (12) 実戦と局後の検討 | (13) レベル | (14) 凡 打 | (15) 勝因、敗因、悪手 |
(16) 囲碁用語 | (17) マナー | (18) まとめ | 思 想 編 | 技 術 編 |
(9)ハメ手
◎ 失礼ながら、初心者にはあまり縁のない手段。弱い人にはこんな手を使わなくてもだませます。中途半端な知識と、がめつい欲望、そこがハメ手の狙いです。
◎ ハメ手というものは、定石と表裏一体をなすもので、定石のあるところにハメ手は発生し、同時にハメ手を知るということは、定石をより深く理解するということでもあります。(前田陳爾)
◎ ハメ手の大半は、相手の間違いを引き出すため、それ相応の危険な橋を渡らなければなりません。悪手を打てば、定石の路線を外れて、相手は知識で打てなくなる。より悪手を打つ可能性が増大してくる、という期待ですから、相手の実力が自分よりも上手の場合には用いません。ハメ手が下手に対して用られる所以です。(相場一宏)
◎ 相手が誤ればボロ儲けになりますが、正しく応じられれば、逆に損害を受けるのがハメ手の宿命ともいえるのです。つまり、ハメ手とは、相手が誤るかどうかに賭ける、一つの投機であります。(前田陳爾)
◎ 実は、ハメ手というものは、決して初・中級のものではありません。ある程度技倆が進み、石の歩みが分かってこないと、ハメ手も活躍する場がないのです。いうなれば、ハメ手は高度な技術と言っていいでしょう。(前田陳爾)
◎ ハメ手は、相手の知識、力量の不足、碁に対する考え方の狭さを見込んで成立しています。
◎ 盤上では、だまされるほうが悪いのです。善悪つまり倫理に関係なく、技倆の未熟以外のなにものでもありません。ハメ手破りには高度のテクニックが要求されるのです。(前田陳爾)
◎ 自分が打たなくても、強い相手が使ってくれば、火の粉は払わねばならないから、ハメられないよう研究し、その中に含まれる石の真理や手筋を学ぶ心がまえです。(前田陳爾)
◎ ハメ手に対する批判は別問題としても、その中にきらめく手筋が無数に存在するのですから、これは勉強してマイナスになるものではありません。(前田陳爾)
◎ ハマリの条件をいくつか挙げますと、一つは貪欲、一つは直線的思考、一つは無知といえるようです。(相場一宏)
◎ かんたんな理屈ですが、まず定石を知らなければ、ハメ手のカラクリは分かりません。というのは、定石でこり固まっている頭のスキをうかがい、故意に崩しにくるハメ手が多いからです。(前田陳爾)
◎ ハメ手にはシチョウ関係が極めて大切な要素になっています。
◎ 序盤におけるハメ手は定石と密接に結びついています。
◎ まず石の重複のハマリに注意せよ。―本因坊道策のスタイルから―
◎ 盤上はどうせ黒白二筋道、飾った表現をすれば「天国と地獄」です。人間性に無関係なのは非情というか、勝てば官軍の掟こそ盤上の真理。ハメ手もその動機は不問にされ結果だけが盤上に映し出されるのです。(前田陳爾)
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