(4) 厚みと地
厚み(外勢・壁)と地(実利)
◎ 厚みを持ったら、まず戦う場所を探す。これは鉄則です。(上村邦夫)
◎ 厚みは宝物。手厚く攻めていれば、必ずプラスあり。(大竹英雄)
◎ 厚み、勢力は貴重な宝物。それを生かすように打つのも、基本的な常識といえる。(梶原武雄)
◎ 一口に厚みといっても形態は様々であり、それに見合った運用を図ることが大切。(石田章)
◎ 味よく、厚ければ、あとが打ちやすくなる。
◎ 大きく囲おうとすると、かえって不完全になる。
◎ 厚みは、地にするよりも戦いに利用する。
◎ 厚みは、囲うよりも攻めに利用したほうが効果を発揮する。
◎ 厚い碁は戦いの碁にしたい。(趙治勲)
◎ 厚みは攻めに利用したときに最も威力を発揮する。
◎ 厚いほうから追うな、厚いほうへ追え。
◎ 厚みのほうからツメる棋理違反。
◎ 厚みのほうへ誘うのがうまい攻め。(上村邦夫)
◎ 中央の厚みは今後の中盤戦で無言の圧力となって働いてくる。
◎ 中央が厚いということは、大きな顔をして世の中を渡っていけるということ。戦ってこそ厚みは生きてくる。(上村邦夫)
◎ 石が離れることは薄くなること、そしてつながることは厚くなること。極論すれば、碁の強さとは、この厚みを最大限に生かす力と言っても過言ではない。
◎ 強い石には近寄るな。
◎ 自分の堅い方、狭い方を固めるのは方向違いというもの。手薄い方に備えるのが正ししい行き方。
◎ 碁では、堅い(強い)ところを打つのは愚かしい。薄い(弱い)ところを打つことこそ賢明というもの。(石田芳夫)
◎ 時として厚みの碁は常識外の手が出てくる。--模様の場合--(上村邦夫)
◎ 打ち込まれた石には高圧をかけて、石を真ん中へと集めること。(上村邦夫)
◎ 中央がべらぼうに厚いときは、相手地模様の弱点に潜入して攻める。
◎ 厚過ぎるときは、その勢力を割られてはならない。つまり、厚ければ厚い程入り易いのは、荒らした時に厚みが強い程バカになるからです。(上村邦夫)
◎ 厚みは度を越すと凝り形になる。(前田陳爾)
◎ 厚みと地は本来、矛(ホコ)と楯のように相反するものだから、地に走れば、薄くなり、厚く構えれば、地が足りなくなるのは常識。
◎ 構え(厚み)は直接地にしようとせず、まず攻めに働かせ、相手の動きを誘って、次の段階で地にする。(片岡聡)
◎ 厚みを囲う場合は、それに見合ったスケールがあるかどうかがカンどころ。(上村邦夫)
◎ 厚みをただ囲うのではもったいない、と感じるようでなければ、厚みは使えない。(上村邦夫)
◎ 実利と厚みのどちらかを選ばなければならないとき、私はたいてい厚みをとる。しかし序盤をいくら手厚く打っと言っても、最後まで同じ調子でいったら、地が足りなくなるのは明らか。厚みは、ある時点で実質に転換させなければならない。そこの要求されるのが力の強さである。(大竹英雄)
◎ 地をとるのは何のためか。地というのは眼形に厚いということであって、次には相手の壁が未熟なうちにこれを攻めるためにほかならない。そうでなければ地を取る意味がない。(趙治勲)
◎ 地を持った石は、眼ガタチがあり、厚い石であるということなのです。しかし、隅や辺の地は往々、大きな地ではなく、その地だけで勝とうとしても勝てるものでありま せん。そこで、外側の壁の「弱み」を攻めることを考える。地を取ることの意義はそこにあると言えるでしょう。(趙治勲)
◎ 地で勝てない局面は、地に走ってはいけない。厚みで勝負する。(上村邦夫)
◎ 全局的に強い石が多く厚い碁を打っていても、碁は最後に「地」という現金で決済されます。厚みを得たなら、それを利用して現金にチェンジする機会を探さなければなりません。厚いだけでは碁に勝てず、攻めるだけでも碁に勝てず、最後は[地の勝負」なのです。(小林覚)
◎ 「地中に手あり」という格言があるほど、地の中には色々と手が生ずるものです。ということは逆にそれだけ地の囲い方がむずかしいとも言えるのです。では、どうして地の囲い方がそんなにむずかしいのか。少しでも石を節約して能率的に大きな地を囲おうとすると、そこにどうしても色々なアヤとかキズが生ずるのです。(曲励起)
◎ 攻め取りの地はたいした地ではありません。(長谷川章)
◎ 地は囲ってできるものでなく、自然にできるものだという教えもある。(坂田栄男)
厚い手・薄い手
◎ こう見えても、初二段の頃まで私は、厚い手とか薄い手とかいう手の意味がよく分からなかったものである。かりにも専門家の小生がそうだから、聞き手の中には意味を了解できない方も少なくないに違いない。差し当たっての利益はないが、後に余得の考えられる手または形を厚い手とか厚い姿とか言う。現在の利よりも将来性に重点を置いていると言えるが、地を囲う面での将来性でなく、攻防戦に強いと言う感覚を多分に持つものである。(前田陳爾)
◎ 地に走ったばかりに薄くなり。
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