(23) 盤外心理
相手意識
◎ 相手を意識して打ち方を変えることは、ほとんどありません。相手の着手によって変化するのは当然でしょう。(武宮正樹)
◎ 相手の碁風によって打ち方を変えることはありません。局面局面で打ち方を考えるだけです。(林海峰)
萎縮&自信喪失
◎ 自分が怖いときは、相手も怖いんだよ。勇気を出しなさい。(木谷実)
◎ 勝ち負けはともかく、自分に負けて縮んだ碁を打つ事だけは、避けねばならない。(吉田美香)
◎ 碁は、片方に一方的に都合の良いことばかりは有り得ず、一長があれば一短もあるのだと割り切ることも必要。(大竹英雄)
◎ 自信のないときは、相手の地がやたらに大きく見えます。碁は一手ずつ交互に打つのですから、相手ばかりが良くなるわけがありません。大き過ぎる地は、まずほとんどそのままではまとまらず、いつか必ず侵入の機会が訪れます。(小林覚)
◎ 一度弱気になると、不思議なもので、次々とこわいところができてきます。囲碁格言の「攻めは守りなり」はそのへんの事情を語っているのでしょう。中途半端な守りは味悪る、なによりもその弱気が気にいりません。(石田芳夫)
独 善
◎ 独善は碁における強敵の一人です。しかも、あなた自身の内に巣喰っているだけに始末が悪いのです。戦いというものは、いわば自分自身との戦いでもあるのです。(工藤紀夫)
◎ 一人よがりになってはいけません。相手の立場になって、手を読むことが大切です。(大竹英雄)
打ち過ぎ、錯覚、見損じ、ポカ(うっかり)、手拍子、迷い
◎ 碁はマインドなゲームであり、碁の内容は心の深いところにある無意識の状態によって強く影響される。(林道義)
◎ 打ちすぎるという現象は、実は自信のなさと関係がある。(林道義)
◎ 碁では、妙な錯覚を起こすことがよくあります。だから、冷静でなければならないのです。(工藤紀夫)
◎ 勝てば官軍の掟こそ盤上の真理。見損じで負けても言い訳にならないのであり、見損じるのは碁が弱いということになるだろう。(前田陳爾)
◎ うっかりも実力のうち。(石田芳夫)
◎ ポカとは、見えるものが「見えない」という、現象だが、深層心理と大いに関係があり、勝負のドロドロしたところでは、実は無意識のエネルギーが微妙に影響を与えて、見えるものを「見えなく」させるのである。(林道義)
◎ 手拍子は宴会だけで結構です。(工藤紀夫)
◎ 手拍子はプロでも打ちます。しかし、アマの場合は手拍子も錯覚も一人ヨミの独善から生じる場合が非常に多い。(曲励起)
◎ 実戦では迷うことが多いものです。そういうときは、手洗いにたつのも一つの方法でしよう。とにかく頭を冷やさないことには知恵は浮かびません。熱中すれば、かえって迷路に踏み込むものです。(工藤紀夫)
◎ 碁は人間と人間の戦いだから、形勢の良いほうもへんな気になったりすることがあります。そういった人間的な要素は、碁の大きな部分を占めていると思う。(林海峰)
◎ 平静なら打つはずもない手が、なにかの拍子でヒョイと出る。なんでこんなバカな手をと思うが、バカな手を打つには、それなりの理由があり、それを必然的に導く心理的な背景があるのです。意表の手を打たれたときはあわてないことが第一。敵の注文がどこにあるか、じっくり腰を落として対策をたてよう。(坂田栄男)
◎ アマチュアの錯覚も、多くは知識の乏しさに由来する、といっても過言ではありません。(曲励起)
無心、カッカ、考えすぎ、ハマリ
◎ 意識の次元で「取りたい」という気持ちを強くすれば、無意識の中では無心になれる。(林道義)
◎ 熱くなるといいことがない。
◎ 考えすぎるとろくなことはない。
◎ ハマリは欲心の具体化。
◎ ちょっとした欲張りが逆効果になるというのは、後の結果についてのヨミを怠っているからにほかなりません。(前田陳爾)
盤上善人なし
◎ プロの棋士は、盤外はともかく、一旦石を握ったら皆悪人である。(石田芳夫)
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●↑ 1995.01.07
編集子 JF8TEG = Prim in 946