(9) 攻めと守り
攻 め
◎ 何のために攻めるかといえば、得をするためである。敵の石を取れればいいが、石はなかなか取れるものではない。攻めによって周辺で得を図るのである。
◎ 本当の攻めというのは、やみくもに石を取ってしまうことではなく、それによって局面の主導権をにぎり、他方面で利益をあげるということです。(加藤正夫)
◎ 攻めには上からと下からとがあり、上からの攻めは封じ込めが目的、下からの攻めは追い出しが目的。厚みは攻めに働かせるのが理想ですから、攻めは地取りと結論してもいいでしょう。地につながらない攻めは意味がないのです。(小林覚)
◎ 攻めと守りを区別するな。(石田芳夫)
◎ 攻めの緩急の度合いは、双方の石のカ関係で決まる。
◎ 攻め合いは、一手勝ちが必要にして十分な条件。(工藤紀夫)
◎ 必争点、つまり一局の急所というのは、そうごろごろあるものではない。(林海峰)
◎ 攻めのチャンスを逃すと攻守逆転を招く。
◎ 急所を外すと、たった一手の違いで攻守が変わる。
◎ 手どころでは、一にも二にも丹念に読む。
◎ 根拠を奪うのが攻めの第一歩。
◎ 攻めの定法、根拠の奪取。
◎ 根拠を奪って攻め得の態勢を作る。
◎ 攻めながら、リードを奪う心掛け。
◎ ただ攻めるのではなく、攻めながらの利を狙え。
◎ 取れないなら、ゆっくり攻めて、リードを狙う。
◎ 攻めをみることによって得るプラスはすくなくない。(坂田栄男)
◎ 攻めは石を取れなくとも他で得をすればいい、という態度。地で得をするテクニックに、カラミとモタレがあります。(小林覚)
◎ モタレて睨め、カラミ攻め。
◎ 取れない時のモタレ攻め。
◎ 取れない時のいじめ攻め。
◎ 右を狙うには左を打て。
◎ 左を打てば、右に手あり。
◎ 相手の好点を奪え。
◎ 相手に好形を与えては攻めにならず。
◎ 攻めは反発から生まれる。
◎ 調子をとるのが戦いのコツ。
◎ どこも弱くもないのに、無理に連絡する必要はない。それより、相手を攻める方向に頭が行かなければならない。(前田陳爾)
◎ すぐに攻めきれないときは、地のバランスを考える。
◎ 一段落の呼吸を知るべし。(石田芳夫)
◎ 三連星の布陣では、入ってきた白への攻め方が一局のテーマになる。
◎ 星からのハサミは、攻めではなく、型を決める意味が強い。
◎ 攻めのねらいはツメから生じる場合が多い。(加藤正夫)
◎ ヒラキと攻め(ツメ)を兼ねた一石二鳥の絶好点。
◎ ヒラキが攻め味を持つときは、見た目以上に大きな効果を発揮する。
◎ 二箇所の弱石は荷が重すぎる。
◎ 相手勢力の中の1子は、直接動くと相手のペースに陥る恐れ。
◎ 攻め合いのときのテクニックは、切って、打ち欠いて、シボル。
◎ ハネは相手のダメをつめる直接法の攻め、サガリは自分の守りも兼ねた間接的手法。
◎ 接触戦におけるハネとサガリの基本の区別をしっかりと。
攻めの方向
◎ 攻めは、弱い石から動くのが碁のセオリー。
◎ 正しい攻めは、薄い方から動く。
◎ 強い方から動くセンスの悪い手。
◎ 攻めは大きく、相手を強い石の方向に向かわせるのがコツ。
◎ 捨てられ易い軽い石は、大きく包むように攻めよ。
◎ 裂く場合は、狭い所を出る程厳しい。
◎ 回りが鉄壁のときはあぶり出す。
◎ 二通りの攻め方が有れば、他に影響のない方を選ぶ。
攻 守
◎ 守るは攻めるにあり。
◎ 攻めては守り、守っては引くこの呼吸。
◎ 守るべきは守り、攻めるべきは攻める。大切なのは、その判断。
◎ 守って攻めて、攻めて守るという呼吸を覚えよ。(加藤正夫)
◎ 攻めながらも常に白陣に自を配り、手を戻すことの大切さ。
◎ 急な攻めが利かないときは、固い手の方が無難。
◎ 自分の形も万全でないときは、先ず自陣の憂いをなくし、ジワツと攻める。
◎ 守るべきところは、一手かけてきっちり守っておく。
◎ 守るべきときは、しっかり守る。
◎ ただ単に守るのでは芸がない。多少なりとも反撃の味をみた治まりを。(福井進)
◎ どういう場合でも、自分の弱点をまず正確に補う、ということが勝率をアップすることです。(加納嘉徳)
◎ 不安定では戦えない。不安定な一団をつくると、攻撃目標にされ、苦戦の因となります。治まるべきはきちんと治まっておくべきです。守るべきところは、しっかり守っておくという危機を感じとることも大事です。(景山利郎)
取りに行く
◎ 場合にもよるけど、本気で取りにいけばいくほど、色々なアヤが生じて、味が悪くなる。攻めは難しい。(加藤正夫)
◎ 普通、プロというのは、弱い石を見ても一気に取ろうとはしない。ちくちくいじめていじめの効果があれば満足する。取ろうとすると自分の石にもスキができて、失敗する率が高いからである。