≦囲碁上達ヒント集≧


第一部 思想・考え方編


(1) 碁の基本思想 (2) 布石と大場・急場 (3) 模 様 (4) 厚みと地 (5) 中 盤
(6) 形勢判断と勝負手 (7) 消しと打ち込み (8) 戦 い (9) 攻めと守り (10) 生きる、逃げる、サバく、シノぐ
(11) キカシ、キキ (12) ツケ、ハネ、切り (13) アタリ、ノゾキ、出、ダメ、味 (14) 捨て石、カス石・要石 (15) 封鎖、死活、コウ、シチョウ
(16) 手 順 (17) 手筋と俗筋 (18) 石の働きと本手、凝り形 (19) 我慢と注意力 (20) ヨ セ
(21) 置 碁 (22) (23) 盤外心理 学習法編 技 術 編

(22) 下手の心得


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下手の心得

◎ 反発する気迫といったものが上達への早道である。

◎ 下手の心理として、一般に上手の模様に対する打ち込みをためらう人が多いようですが、石の正しい道筋に上手も下手もないのですから、打ち込みのあるところは、恐れず打ち込まなければなりません。上手は「打ち込まれたら困るな」と思いながらも他の大場に手を回すことしばしばです。そんなとき、敢然と打ち込まれれば、上手は「これは・・・」と思います。話を飛躍させると実際に打ち込まなくても、打ち込みを狙っているだけでもいいのです。それだけで局面をリードすることができます。上手に自陣への手入れ要求することになるからです。(長谷川章)

◎ 技術の差はいかんともしがたいのですが、それは置石が補ってくれるのですから、あとは心の問題です。すくなくとも、対等の意思で戦わなければなりません。その自信を培うのがトレーニングであるのは言うまでもありません。(前田陳爾)

◎ とかく置碁は受身になりやすい。

◎ 初級者はとかく石音のするほうへ手が行ってしまう。

◎ 守って弱気を出すのは躓きの元。

◎ 石は、まず外へ出ることが大切。怖がって縮んでいると、相手にどこまでも付け込まれます。(影山利郎)

◎ 早くおさまりたいという気持ちが消極さを生む。

◎ 下手の代表的な病気は −消極的、石が中に出ていかない、地を取りたがる、そのくせ根拠を大事にしない、相手を固めて平然としている− 等々。(武宮正樹)

◎ コウ争いを避けたがるのが万年初級者の常。(細川千仭)

◎ 戦いで逃げていたらカがつきません。(伊藤友恵)

◎ 置碁の黒はヨセで追い込まれることが多い。

◎ キリチガエは白の常套手段。

◎ 弱気を見せると、カサにかかってくる白。

◎ 一旦後退すると、上手は益々つけ込んでくる。

◎ 全ての石を大切にしようと思っては敵(上手)の術中にはまる。

◎ 下手の怖がる心理を利用するのが上手の戦略。(橋本字太郎)

◎ 置碁の場合に重要なのは、どう置石を生かすか、ということだ。スケール大きくガンガンやって上手に圧勝、そういう勝ち方をすると置石が一つ減る。(梶原武雄)

◎ 置いた碁は分かりやすく打つ心掛け。(形を決めるということ)

◎ 置碁の要領は片はしからどんどん決まりをつけてしまうこと。

◎ 置碁では、初期の先制攻撃が効果的。

◎ 置き碁なら急戦を挑みたい。

◎ 少し無理でも急戦にすれば置石が働く。

◎ 置碁では、早い時期つまり石数の比率が大きいうちに戦いのチャンスを掴むのが作戦として有力。

◎ 戦いが激しければ激しい程置石がものをいってくる。

◎ 布石の初期に相手を封鎖できれば、必ず優勢になる。

◎ 置碁定石、これはなんとも不思議な世界。かなり不利でも定石としてまかり通っているが、はっきり不利なものは捨てるべき。(趙治勲)

◎ 置碁定石などというものが特別あるわけではありません。(武宮正樹)

◎ 置碁で定石を選ぶときは、中に出る手、相手(白)を裂いて出る手をモットーとしましょう。(武宮正樹)

◎ 打つ手が、6子だから許されて、互先では許されぬというそういう考え方は正しくない。(景山利郎)

◎ 3子の碁では手堅く打たれるほうが上手は困る意味がある。

◎ 置碁は、勝ち負けももちろんあるが、学習の要素も強い。(梶原武雄)

◎ うまく殺されるのも勉強のひとつ。学ぶべきものがあれば、一局の勝敗など問題ではありません。(工藤紀夫)

◎ 主観を持った碁は、負けても価値がある。自分なりの碁を打てば、そこには負けても身につく何かがあるのです。ただし、誤解してもらっては困るのは、「自分なりに」、「思うように」といっても、それは我流を通せというのではありません。教えられたから、本に書いてあるからといって、なぜそれがいい手なのかの意味を理解せずに打つのは、借り着そのままです。自分なりに考え、理解することが大切なので、これがつまりは勉強です。勉強せずに我流を通すのでは、現在の自分以上には出ず、進歩も知れています。(坂田栄男)

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